中学校の保健室には
ときどきこんな子がやってきます。
私、芸能人の⚪︎⚪︎君と付き合っているの!
当時、中学生にとっても人気のあった
ジャニーズの某グループのセンターの男の子と付き合っている!!と言うような
突拍子もないような嘘をつく子がいました。
えー!どこで出会ったの?
デートの場所とか困らない?
などと話を振ってみても
これがまた話が細部までよく出来ていて
なんというか
この話を聞くのはとても面白かった…笑
芸能人の彼氏以外にも
遅刻の原因や
提出物を出さない言い訳
部活を休む理由など…
彼女の周りは
いつも嘘で溢れていました。
おそらく小学生の頃から
こんな調子だったのでしょう。
周りの先生どころか
クラスメイトからの信用も
ゼロに等しい彼女。
当然、芸能人と付き合ってるなんて話も
信用してもらえませんでした。
(もちろん付き合っていなかった)
でもなんで
嘘をつき続けていたのでしょう?
中学生なのに明らかにバレる嘘をつく子
嘘をつくことが日常になっているような
中学生というのは
冒頭の「芸能人と付き合っていた彼女」以外にも
何人か出会っています。
くませんせいが見ていて思うのは
彼女たちは自分の話が嘘だってバレているのは
おそらく分かっています。
本人たちは
自ら自分自身の世界を否定するようなことは言わないですが…
保健室の先生としての対応と、この子たちの共通点
本人が創っている世界が
「芸能人と付き合っている」のなら
それを壊すと信頼関係を失ってしまうので
その世界観は忠実に守りながら
現実世界(学校)のことも
きちんと取り組んでもらえるよう
支援していました。
例えば…
⚪︎⚪︎くんは売れっ子で忙しいと思うから
ノートをちゃんと取っておくと
いざという時に助かるはずだよ。
(→結果として授業をきちんと聞き、ノートの提出物忘れも防ぐ)
嘘をついていた理由を
卒業するまでに
明確に語ってくれた子は居ませんでしたが
この子たちに共通していると
くませんせいが思っているのは
自分を見て欲しいとか
注目して欲しいって欲求が
強く出ているんだな…
ということ。
彼女たちの信頼を得られると
いずれ「芸能人の彼のために」じゃなくても
「あなたのために」という
先生や大人たちからの言葉も
聞いてくれるようになります。
まぁ中には毎日ついている嘘の内容が
変わってしまうような子も居て
(今日のあなたの世界観だと
こうなっているのね…!?)
と話を合わせるのに
かなり頭を使うことになった
レベルの高い嘘つきさんも居ましたが…笑
ここまでお読みいただきありがとうございます。